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ブログ倉庫1(2005/4-2014/10)

僕のキャリアで2つ目となる男声合唱団がついに発足し練習を開始した.
一昨年まで約5年間、一つ目となった100名を越える男声合唱団に関わって、トレーニングと演奏の指揮など音楽部分を一手に引き受けてやって来たのだが、ある事情で昨年その役を下ろさせて頂いた.慣れ親しんだメンバー達との別れは非常に苦しい事であったが、音楽を生業とする者の一人として貫き通さなければならないものを感じた以上どうしようもなかった.音楽家でなくてもメンバーの中には僕と同じ事を感じ団から離れていった人たちも何人かいた.
それからのこの一年、そんな仲間達とよく神田の中華料理屋で紹興酒の杯を重ねて喋りあった.気持ちはみんなよくわかるが、一時は3日と開けずに声を出して練習していた合唱ができない寂しさが僕にはよく伝わってきた.なんとかしたい、早くまたみんなで大声で歌いたい….歌う喜び、歌う楽しさ、を知ったこんな仲間達にとっては長い一年のブランクだったと思う.
そしてやっと再開のスタートが切れました.今度の男声合唱団は、以前の100名超に対して総勢10名から始まりました.都内の小さなスタジオ、夕方6時の約束の時間に着いてみるともう、顔を知った仲間が万面の笑みを浮かべながら待っていてくれました.それから一人、二人と集まって総勢10人になったところで練習開始.以前の仲間が5人、彼らが連れてきた新しい仲間が5人.
男声の合唱は普通声の高い順にテノール1、テノール2、バリトン、バスと、4パートにわけてハーモニーを作ってゆく.
高い声や低い声ばかりが集まっても合唱はできない.おそるおそる各人のパートを確かめてみると、ちゃんと4つのパートに分ける事ができました.テノール1が4人で残りの3パートともちょうど2人づつ納まって初回からしっかりハモる事ができたのです.
よく知っている「ふるさと」や、簡単だが男声のハーモニーの素晴らしさをすぐ感じられる「希望の島」という曲などを、おしゃべりをしながら和気あいあいと練習した.驚くべき事に10名で初めての練習で2曲ともきれいにハモる事ができたのです.
あっという間に過ぎた3時間、スタジオから追い出されるように飛び出し、みんなですぐ下のカラヤン広場に降りて行きパブに飛び込む.歌った後ののどの渇きに、また仲間が集まって合唱を再会できたという興奮とが加わっての、高揚したみんなの乾杯の大声とお喋りを聞きながら「やっと戻ってこれた」と心の中でつぶやいたのは僕だけではなかっただろう.
音楽は、それをする人をきれいに飾り、きれいに見せるような衣装でも、お化粧でもないと思う.
音楽はそれを精進する事によって、音符や声、楽器を通して、その人自身をすべて表に出してくれるものです.僕はそう思って音楽を続けてきました.
この新しい合唱団は、ステージに立った30人なら30人、40人なら40人の全てのメンバーが一人一人、生き生きと自分の生き様を表現できるようになる事を目標としたい.

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