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ブログ倉庫1(2005/4-2014/10)

9月にオールデンブルグでのシーズン開幕公演のシリーズを成功半分、失敗半分でいかにも初心者らしく過ごした後の10月、すぐにミラノに里帰りしたのは、メランコリックな理由もあったが、11月に決まったハンブルグでのオーディションの準備をする為でもあった.
話は少し戻るが、オールデンブルグとの契約が決まった時、もうちょっと良い条件のポストが見つかるようにとカルボーネ先生が、先生の同郷(ナポリ)で世界的に有名な指揮者、ジュゼッペ・パタネ氏を紹介してくれ、彼がイタリアに戻って音楽祭を振っていたヴェローナに彼を訪ねたのだ.
イタリアオペラの最大の夏のイベントで歴史も長く、中世の円形競技場で繰り広げられる「ヴェローナ野外音楽祭」.夏休みになるといつも楽しみに出かけていたが、スタッフのサイドに入るのは初めてだった.円形劇場が本番の行われる舞台だが、その準備の練習のほとんどはもう一つある「フィルハーモニー劇場」で行われる.
7月に入ったばかりのその日は、朝から終日続くオーケストラの練習の休憩時間に、舞台に呼び出されて3曲ほど歌った.マエストロ・パタネは、カルボーネ先生と同郷の先輩後輩で、その教え子の僕をとても暖かく迎えてくれ、相談に乗ってくれました.
歌った後、オーケストラのメンバーが昼食をしているカンティーネに連れていって、「みんな、このMr.コバヤシが今、オーディションで何を歌ったかわかりますか?僕らイタリア人でさえ忘れかけているベルカントの至宝、あのロッシーニの”ウィリアム・テル”の超絶技巧のアリアですよ!」と言って一人一人に紹介して回ってくれました.
食事をしながら、もちろんもう決まっているオールデンブルグの契約の話しをして、できればイタリア語で歌える劇場で歌いたいと相談しました.ドイツと聞いて彼は「11月にハンブルグ・オペラに客演するので、その時に何人かの人に聞いてもらえるよう手配しよう」と言ってくれたのです.<続く>

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