Blog TenorCup

ブログ倉庫1(2005/4-2014/10)

さていよいよSOIでの2週間のセミナーも後半に入る。明日の火曜日からは今回の目玉でもあるテノール歌手W.マッテウッツィ氏による待望の声楽マスタークラスが始まるが、その前に今日から新しく、オズヴァルド・サルヴィ-Osvaldo Salvi-氏の俳優術演習の次のレベルとしての、オペラ・アンサンブルの立ち稽古-Laboratorio scenic-musicale-が、ミラノ・スカラ座の演出家であるマリーナ・ビアンキ-Marina Bianchi-女史を講師に迎えて始まる。それに毎日の声楽レッスンとスパルティートのレッスンが再開される。さらに、これは研修所側が今回の学生たちの実力を確かめてから提案してきたのだが、当SOIの副校長ともいうべき立場の副指揮者、マッテオ・パーイス-Matteo Pais-氏によるアンサンブルの音楽稽古-Probe di sala-が追加されるということで、みんな始まる前からいよいよ正念場だという覚悟の見える頼もしい面持ちになっている。午前9時半からレオナルド・スタジオ-La sala proba S.Leonardo-でのビアンキ女史の立ち稽古のピアニストは小谷彩子先生、通訳として森田先生にお願いして始まる。例によってこの演習も時間が限られているため全3回で組まれている。そのためビアンキ女史は我々のレッスンを前週に前もって聞きに来てくれ課題を用意してくれた。学生達がレッスンを受けているアンサンブル、「愛の妙薬-L’elisir d’amore-」、「トスカ-Tosca-」、「道化師-I Pagliacci-」や、「ランメルモールのルチア-Lucia di Lammermoor-」からの二重唱や三重唱の場面、「ラ・ボエーム-La Boheme-」の四重唱などの他に、「マクベス-Macbeth-」からの群衆の場面なども取り上げ、実際のオペラシーンの立ち稽古が繰り広げられた。

bologna274彼女の歌手たちに対するアプローチはとても分かりやすく、多くの言葉を必要としない、まさに彼女の身体全体からでる非常に的確な表現によって、少し離れて見ている私の場所でも、その的確な指示が演技者に伝わり、それによって演技が変わってくるのがよく分かり、彼女の演技指導者としての能力の高さが認識できた。外で見ている私などには、学生達が魔術にかかったようにステージ上でその役柄になってゆき、他の演技者との有機的な繋がりが美しく出来上がってくる様が確認でき驚きの声を上げたほどだったが、当の演技者たち、学生達には、その変わったという自覚がそれほどはっきりは感じられなかったというのを聞くに及んで、自分が演技する事と、その演技を演出する事との違いがはっきり認識でき、改めて演出家という人種の神髄が垣間見れた感じがした。

 

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