Blog TenorCup

ブログ倉庫1(2005/4-2014/10)

マッテウッツィ先生のマスタークラス・レッスンが終わってピークは過ぎたかとも思ったが、今日からは最後の日の修了コンサートの準備をしながら各々がこのセミナーの仕上げにかかってゆく。セミナーの総仕上げという事で、声楽レッスンのレドーリア先生、スパルティートのタラメッリ先生、音楽副指揮のパーイス先生、それに演出のビアンキ先生の皆さんの意見を聞きながら、私と森田先生、それに事務局のラウラ・ロマスコ-Laura Romasco-女史でコンサートのプログラミングをする。学生11人中ソプラノが7人と多く、後はテノール1人とバリトン3人、各々に一番成果の上がったと思うアリアを1曲づつ歌ってもらい、あとオペラ・アンサンブルも組もうと思うのだが、人数が多すぎ、アリアでもう大分時間を使っているので、うまく3,4曲を組めればと考える。ソプラノ同士の重唱はほとんど見つからないので、自然とソプラノとテノール、バリトンとなり、おのずとテノールの負担が大変重くなるため、通訳で手伝ってくれている弟子のテノール、渡辺康君にもアンサンブルだけ手伝ってもらおうという事になった。彼はタラメッリ先生のスパルティートのレッスンの通訳を多く担当してもらっていて、その際とても気さくに色々なシーンのテノールパートを手伝って歌ってくれていたのでちょうどいいという事で、本人も出たいというので事務局にお願いして出演が決まった。結局、アンサンブルとして組み込むことにしたのは、1)「愛の妙薬」の二重唱 “ほんの一言、アディーナ!-Una parola, o Adina-”を増田さんのアディーナ-Adina-と渡辺君のネモリーノ-Nemorino-で、2)「ランメルモールのルチア」の二重唱 “こちらにおいで、ルチア-Appressati Lucia-”を大武さんのルチア-Lucia-と大島君のエンリーコ-Enrico-で、それに最後に「ラ・ボエーム」の3幕の四重唱 “さようなら、甘い目覚めよ-Addio, dolce svegliare-”を宮下さんのミミ-Mimi-、志田尾さんのムゼッタ-Musetta-、加藤君のロドルフォ-Rodolfo-、村松君のマルチェッロ-Marcello-で飾ろうという事でプログラムが決定。各人に伝え、準備などを指示する。2週間分の重たい荷物の中にしっかり詰めてきたであろうステージ衣装の確認もする。夜には先週のオペラ公演シリーズのもう一つの次の公演が初日を迎えるという事で、これもみんな揃って観れる事になり劇場に出掛ける。今年のシリーズのテーマという事か、今夜の出し物もペルゴレージのインテルメッツォ「リヴィエッタとトラコッロ-Livietta e Tracollo-」とオッフェンバッハのオペラ・コミック、「シュフルリ氏は在宅.. -M. Choufleuri restera chez lui..-」の組み合わせで大いに楽しむ。特にオッフェンバッハの「シュフルリ氏は在宅..」という風変わりなタイトルのオペレッタは抱腹絶倒の面白さで大変楽しめた。内容はまさにドタバタ喜劇で、小金持ちのシュフルリ氏の夢だった有名な歌手を呼んでの自宅パーティーでのコンサート、招待状に答えた友人や客が集まる頃になって、3人の歌手に揃ってキャンセルされ困っていると、娘から妙案が…結婚したいと思っている恋人は作曲家、彼に助けてもらいましょう…二人の付き合いをまだ認めていないが、わらをもつかむ思いのシェフルリ氏の前に、…現れた恋人、自分とパパと娘を有名歌手に仕立て上げます。ここからがこのオペレッタの一番面白い所、抱腹絶倒のイタリア・オペラのパロディーが始まるのです。ヴェルディ風はもちろん、ロッシーニ、ベッリーニ、パイジェッロ、他、バロックオペラ風から、レシタティーボ、アリア、アンサンブル等々、いかにもイタリアオペラ風に大げさに見えを切りながら、3人が即興でとっかえひっかえお客の前で、これでもかとパロディーを繰り広げるのです。見ながら考えてしまったのは、この曲自体はフランス語で書かれていて舞台は定かではありませんがフランスでしょう。その中のフランス人達を、今回はSOIの主にイタリア人達が演じているわけで、つまりはフランス人がイタリア人のイタリアオペラをパロディする風景を、イタリア人がフランス語を使って演じているということになります。どういう風に考えて、自分達の芸術、それも自分がそれで名を成そうと努力してるイタリアオペラそのものを、パロディ化しているものを演じようとするのか、とても興味のそそられる疑問で頭がいっぱいになった。

 

No Comments :(

Comments are closed.