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ブログ倉庫1(2005/4-2014/10)

0830chirashiura8月30日に、久し振りのリサイタルを開催します。
母校の専任教員に奉職して忙しい中、演奏活動を自粛せざるを得ない状況が続いていたのですが、
それもあと一年半にて定年を迎えます。今年あたりから歌うことを再開しようと思っていた矢先、
最後にリサイタルをさせて頂いた国立市の芸術小ホールからの暖かいお申し出によって、演奏活動の再スタートをさせて頂くことになりました。
どれほどのことができるのか、どこまで歌えるのか大変不安な気持ちでいっぱいですが、思い切り今の私をぶつけて聞いて頂こうと思っています。
どうぞ、八月の終わり、まだまだ暑い東京ですが、国立市での夏の夕涼みになればと思って歌いますので、たくさんの方のご来場をお待ちしています。

「小林一男テノール・リサイタル」~夏のくにたちに唄う~
テノール:小林一男
ピアノ:小林さかえ
演奏曲目:ロッシーニ、レスピーギ、トスティ他、

日時:2013年8月30日 金曜日 午後7時開演
会場:くにたち市民芸術小ホール

チケット:3,500円(全席指定)
問い合わせ先:テノールカップ事務所 090-2176-7331、 くにたち市民芸術小ホール 042-574-1515、国立楽器 042-573-1111

昨日は大学の入試2日目。セーラー服、学生服姿の受験生達の、若くて元気のある歌をたくさん聞き、彼らが大学内で大活躍する姿をイメージして楽しくなった。それでも一生に一度の入学試験、失敗しないように、ミスの無いようにと、受験生も試験官も大変緊張しての何時間かには正直大変疲れてしまった。

そんなに疲れながら、昨日はその後、夜からオペラ「友人フリッツ」の立ち稽古があった。

入学試験中は大学構内が立ち入り禁止になり、校内施設が使えないため、オペラの稽古会場も学外に出て探すことになった。スタッフが探してきたのが、大学からちょっと離れた地域センター内の学習室。老人や子供の声が響き渡っている中、スリッパに履き替えて小学校の教室のようなかわいい空間に皆集まった。

友人フリッツの物語は、南フランスはアルザス地方の農村風景の中に展開されてゆく。農園の地主で独身のフリッツと、その農園の小作人の娘スーゼルの純愛を描いている。昨夜は主なキャスト5人が集まって、演出家の指示に従って、お芝居を作ってゆく、立ち稽古が行われた。セリフ代わりの歌と音楽をだいたい憶えた状態で、実際に動きを付けながら歌を歌い、他のキャストとの芝居を作ってゆく。

私の昨夜の役は、副指揮者。本番の指揮者の代わりに、このような演出主体の初期の立ち稽古で、オーケストラ代わりのピアノと、舞台上の歌手達を指揮する。しかしこの段階ではまだまだ初期なので、指揮をしながら歌手達に歌の入るタイミングだとか、歌の最初の言葉などのきっかけを出してあげるのが大きな仕事となる。全3幕あるうち1幕と2幕分の基本的な動きを付けた。

このような稽古が何回も続けられ、芝居も歌も練り上げられていく。さすがに夜9時までの練習は久しぶりもあって疲れたので、早々に「お疲れ様!」をして帰宅。

今日からの10日間で物語と音楽に素晴らしい息吹が吹き込まれてゆく、乞うご期待 か!

 

明日から入学試験が始まる。世の中の不景気を反映してか、音楽を目指すにしても手に職を付ける方がいいと、声楽離れが進んでいるのだろうか。例年3日間かかった入学試験が今年は2日間に短縮。内容のいい学生達が集まればいいかと思うしかない。

さて音楽研究所がオペラ公演を始めて昨年度はプッチーニ「つばめ-La Rondine-」を上演、大変大きな反響を頂いた。

今年度は研究の続いているイタリア・ヴェリズモ・オペラの中心的作曲家、ピエトロ・マスカーニの「友人フリッツ-L’Amico Fritz-」を取り上げ、普段は何もないこの年度末、3月に上演する。指揮、演出はプッチーニと同じ河原忠之、中村敬一が担当。イタリアオペラなどまるっきり初めてという学生中心のオーケストラを率いる難しさ、少ない予算でオペラらしく舞台を盛り上げる難しさ、両人の頭脳を絞りきったスーパーなパフォーマンスを期待したい。

声楽陣には国立出身の若手の歌い手先生方が新鮮なマスカーニを描き出してくれるだろう。このプロジェクトに研究参加している大学院生や外部受講生達によるソリスト、合唱もその熱気を帯びた演唱が楽しみだ。

3月5日、土曜日、15時開演、立川市柏町5-5-1、国立音楽大学の講堂大ホール。入場無料はぜひチェックされたし。