始めたばかりの男声合唱団の練習も一昨夕で4回目になった。順調にと言いたいところだが、まだ気分よくハーモニーを楽しむだけの人数が集まらないのが残念なところだ。
しかし練習に借りているスタジオの響きがとてもいいのに助けられて、それなりに豊かな響きを感じながらの練習は非常に楽しい。今現在登録している人数は15名ほどで、練習に集まるのが6〜10名、時には4つのパートが成立しないときもあるがそれでも楽しい練習にはなる。
まずは体を使って大きい声を出すという事が文句なしにストレス解消になるし、大きい息を使う事で血が体中を巡り頭の廻りも良くなって食事もおいしくなる。
そんな素晴らしい合唱を楽しもうと思ったらとても簡単だ。まず自分の持っている声にあったパート(高い方からテノール、バリトン、バス)を選んでもらったら、曲のそのパートの歌(メロディー)をゆっくり教えてもらう。隣や前後には自分と同じパートの人が集まっているので、それにまざって少しずつ覚えてゆけばいい。自分は覚えきれなくてもパートとしてある程度覚えられたら、他のパートと一緒に歌ってみる。もちろん他のパートの人達は違う歌(メロディー)を歌うのだが、そんな違うパートの歌が4つの層に重なって一緒に歌うと、そこになんとも得も言えぬ響きの固まりハーモニーが出来上がるのだ。これが聞こえてきたらもう嵌まってしまう事間違いなしだ。
合唱のいいところは自分の声や歌の実力では到底表現できないような歌を本当に自分で歌った気分になれる事です。一人の声は小さくても同じパートをたくさんの仲間とともに歌う事により立派な歌となり、さらにはそんなパートが4つも集まりダイナミックな響きを作ってあたかも自分自身ですべて歌っているように聞こえてくるのだ。
人間の声の響きはどんな楽器よりも素晴らしいものだというのが合唱をやってみればわかるし、自分も世界に一つしかない声のストラディバリウスを持っているというすごい事に気づくに違いない。
そんな声の中でも、男性の声というのは本当に素晴らしい楽器なのです。
人体構成上かどうか知らないが、女性の声は出たそのままの声で響きが薄く一面的であるが、男性の声は非常に複雑な響きをたくさん内蔵したもので、深く、柔らかく、厚い素晴らしい響きを作り出してくるのです。だから男声合唱の曲というのは爾来複雑に凝り固まった曲は出来てこなかった。単純すぎてつまらないようなメロディーでも男声合唱にすると、すぐに歌いながら涙の出てきそうな名曲となって心をとらえるものになるのだから不思議です。
我が合唱団にも、いつでもどこでも仲間が集まったら歌えるような一番のレパートリー曲、つまり「団のテーマソング」みたいなものにしたい曲が見つかりそうなのです。
「シェナンドウ」という古いアメリカの曲だが、メロディーを聞いたら「ああ、聞いた事がある」と言い出すような懐かしいメロディです。これが男声で合唱にするといいんですよね。最初、メロディーをみんなで覚えて、その途中からちょっとだけパートを二つに分けて覚えてもらい、早々と一節だけハモってみたら、みんなの顔に何とも言えない笑顔が浮かんできて「いいね、この曲。たまんない!」と声が上がってきた。
いまこの「シェナンドウ」にみんな夢中で、英語の歌詞にも関わらず奮闘している。
そして昨夜の練習では、ついに最後まで音取りが進み、曲の最初から最後まで全部通して歌ってみたら歌えたのだ。やった、ついに新しい曲を一曲…、いや自分たちの歌を見つけたかもしれない。
練習後のパブではもちろん、新合唱団での新曲一曲制覇で乾杯した。
こんな楽しい男声合唱の仲間にあなたも入りませんか?

27
6月
