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ブログ倉庫1(2005/4-2014/10)

今日は朝から晴れ上がって五月晴れ、やっと連休らしい雰囲気になってきた。
朝の散歩に出るとすぐ近くを走る中央高速高架の下り線のフェンスに沿って車やバスの上半分だけがほとんど止まった状態で都心方向まで連なって見える。
今年は春先に仕事の方が忙しくなったせいで、計画も立てられずに連休に突入してしまった。
4月の中旬には毎年恒例のゴルフ、パブリック選手権の予選に出るべくエントリーしていたのだが、仕事のせいで前日にドタキャンしてしまった。
本来ならその時に仲間と一緒に山小屋に泊まって騒いで一挙に活動的になって連休から夏へ飛びこむのだが、今年は今日のように天気が晴れ渡ってもまだぐずぐず家で書類作りなどしている。
来週は母の日だし八ヶ岳の兄貴夫婦にも会いたいし、なんとかして飛び出そうと思っていたら昨日の夕方、勝沼の従兄弟夫婦から大きな荷物が届いた。
勝沼の葡萄郷を見下ろす絶景の場所で昔から葡萄園をやっているのだが、去年久しぶりに遊びに行って旧交を温め、秋にはそこの長男の結婚式に招待されて歓待を受けた。
それから季節が変わると果物や野菜を送ってくれるようになったのだが、今回は開けてびっくり、ふたつの箱は取れたてのキウイフルーツで一杯。
市場に出せるような大玉のきれいなものともぎたてでヘタや葉の付いた不揃いなキウイがこれでもかと沢山入っている。これで当分我が家のビタミンCは大丈夫。さっそく一つかじってみると、新鮮なスッパさが口一杯に広がり、山の空気や土の香りが一挙に浮かびあがって来た。
もう一つの重たい大きな箱には一升瓶のワインが何本も詰まっていた。昨年夏に仲間たちと押し寄せたときに飲ませてもらった勝沼の白の地ワインだ。
いわゆる我々が有難がって栓を抜く高級なワインと違って、特別美味しいというわけでもなく、香りが良いというのでもないのだが、ワイワイやりながらダラダラと飲むのにはちょうど良い、軽いテーブルワインである。あの時みんなで昼間から騒いで酔っ払って「これ美味しいよね、最高!」などと大声でしゃべっていたのを聞いていて送ってくれたようだ。
しかしこの一升瓶を何本も女房と二人では空け切れない。2本位取って、あとは去年の仲間たちにさっそく送ってあげようと思う。
娘二人は例によって連休に親達などにはつき合ってくれないので、今やっている書類作りに目鼻が付いたら女房と二人、窓から高速の混み具合を見計らいながら八ヶ岳に繰り出す。
ワインの一升瓶を一本、キウイを一山抱えて車に乗る。込具合を見ながら、大月のお袋のところと勝沼には行きか帰りかどちらかで寄ってくる。八ヶ岳の兄夫婦はいつ行っても気持ちよくつきあってくれるので、一緒に蓼科や諏訪の方に遠出するのも良し、去年見つけた山小屋の近くの紹興酒のカメ酒の飲める中華料理屋でダラダラと過ごすのも良し。空いているようだったらゴルフもして体を動かしてみよう。帰りは日曜か月曜か、これも高速の混み具合と天気次第だ。
以上、5月3日連休初日午前11時30分現在

骨折で人生初めての入院生活をしている94歳の母親を娘と一緒に見舞いに行った3日後、9月最初の週末、その母親を再度大月の市民病院に見舞いに行きその足で小淵沢の山小屋に行く。
8月の合宿で使って以来、いくつか修理等のポイントがうかんできたのでその修理計画を立て、うまくいったら早速作業を始めたいと思った。
とりあえずは作ったばかりの大げさな作業台を始め、小屋の裏に移動しただけのガラクタを選り分けて捨てるものは捨て、戻すものは戻さなくてはと思う。
一つ一つ見てみるとほとんどが捨てても問題ないものばかりである。作業台だけはベランダに戻すべきかとも思ったが、その大きさはやっぱりじゃまであるし、こうやって小屋の裏の外壁に沿って立てておくとその下の部分だけでもちいさな物置スペースになりそうなのでそのままにしておくことにする。なまけものである。
考えている作業は二つ、物置と玄関前だ。急を要するというか一番最初に修理したいのは、車を降りてから玄関のベランダに付いた階段までのアプローチを整備することだ。車からは下りのアプローチになっていて、階段前のスペースは一番低くて地面が丸出しなので、いつも湿っていて履物が泥だらけになり、玄関回りが汚れてしかたがない。計画としては階段前のスペースの水捌けを良くするために、少し土を取り除いて、そこに砂利や石塊などで何十センチかの層を作り。その上に飛び石のような石板を並べるかして階段前をきれいにする。そこから車まではやはり同じ様な飛び石か、枕木かを間隔をおいて置いてゆき、靴が汚れないで歩けるようにするというものだ。
物置は地元のホームセンターに並べてあるものを買うつもりだったが、納期や設置日付の打合せとか、東京から来るのを考え合わせなくてはならない分、面倒くさく決めかねていた。しかし山に来てしまうといつもめらめらと大工作業意欲が湧いてくる。山に着いた足でお得意のJマートに寄って眺めていたら日曜大工 (DIY)の雑誌から面白いものを見つけた。手作りの物置小屋の設計図と作り方の記事だった。これを作ろう。寸法でいくと大分大きくて、材料費だけで8万円ぐらい掛かってしまうので、この設計図の寸法を縮小して少し小さなものにして材料ももうちょっと安いものを探して作ってみよう。
そんな事を考えながら次の朝、夏の落葉掃除のときに手伝ってくれた兄に電話すると、いま畑にいるということなので、さっそく行ってこの間のお礼方々また協力をお願いすることにする。
まず物置について兄に提案してみると「僕等も大工の息子だから、この程度のものは作れるだろう、やろう、やろう」という事になり、サイズ縮小の設計図を僕がまず書くということに決まる。
打合せをしながらの遅い昼食の後、玄関前修理のための材料を漁りに3人で諏訪まで出かけることにする。地元のJマートもかなり充実していて問題ないのだが、諏訪のインターの近くの大きなお店がたくさん集まっているバイパスの辺を探訪してみたいというお義姉さんの意見を入れて繰り出すことにした。
諏訪では当てが外れてJマートが無かった。しかたないので「ケーヨーD2」で焼レンガ20枚、撒き砂利2種類6袋、それにテラコッタ風の敷石板を8枚買う。これで大体足りるだろうという目算だが、材料が足りなくなった時、Jマートになかったらまた諏訪まで来なくてはいけないかもしれない…と少々、気にはなったが、大体が一生懸命やっても一季節過ぎると土中に潜ってしまったり、落葉が堆く溜ったりと細かくはあまり気にはならない場所なので、少々形や色が変わっても問題ないだろうと思うことにする。
お義姉さんが今年から始めると意気込んでいる「スノーシュー」などを扱うアウトドア専門店「モンベル」の大きなお店を興味深くみんなで覗いて満足して小淵沢に戻る。
うちの山小屋の近くにできたばかりの本格中華の店で夕飯。本格中華というにはちょっと料理が家庭的過ぎる感じだが、なんとここには紹興酒のカメが常備してあり、ヒシャクでグラスにたっぷりとついでくれるのだ。なんと幸せなことか! 実は僕は紹興酒カメ酒の大ファンで、ワインが無くてもカメの上澄みがあれば天国なのだ。山小屋からこんな近くにこんな所を発見したのはうれしい限り。お店が早々とつぶれないでなるべく長持ちしますようにと、上澄みを舐めながら祈ってしまった。大満足の一日だった。
ベランダに買ってきた材料を積み上げて、明日雨が降らなかったら、兄と二人で玄関前の作業に入る約束をして別れる。夜半の天気予報は台風の影響での大雨を予想していた。兄が忙しくてこの週末つかまらなかったら、一人でゴルフでもして帰って来ようと、明日の朝一のゴルフ場も予約だけはしてあった。今年始めから変わり始めた「晴れ男」のラックにかけたが、やっぱり朝起きてみると外は真っ暗の大雨状態。ゴルフ場と、兄の所と両方ともキャンセルの電話をしてもう一度ベッドに潜り込む。9時すぎに起きても雨の勢いは増すばかり、台風の影響だという。あまり降ってしまうと帰りの中央高速も危ない。あきらめて部屋を掃除しごみを積んで、昨日買ってきた材料にはシートをかけて退散する。通行止め一歩手前の大雨の中では、大月で降りて母親の顔を覗いてからというのも諦めて、一目散に東京まで駆け抜けた。今度山に行けるのはいつになるのだろうか、なんとかして9月中にもう一度行って玄関前をやりきらないと。

女子プロゴルフ応援を予戦ラウンドで打ちきって土曜日の夜遅く、軽井沢の友人邸から女房と二人で小淵沢の山荘に。
一週間後に合唱団の合宿があり、我が古き山荘も練習に使うことになり、10数名の仲間が来ることになった。夜暗くなってからだと闇に紛れて誤魔化せるが、夕方明るいうちからの練習なので、すこしきれいにしておかなくてはならない。中の床は昨年張り替えたので残る問題は2つ。枯葉と雑草にまみれた前庭の掃除と、玄関のベランダを綺麗にすることだ。
朝とりあえず一人で始めてみるがとても出来そうにないとわかったので助っ人を探すことにする。
実は大月市内に住むすぐ上の姉がどういうわけかまだこの山荘に来たことが無いというので、今回遊びに来るように誘ってあった。彼女の旦那が手伝ってくれるだろうと思って電話で約束を確かめてみると、なんと旦那だけ用事ができてしまい姉が一人で来ると言う。しかし兄弟が多いというのはこういうときに便利である。姉一人じゃあ楽しくないし車もないだろうから相模湖に住む長姉夫婦を誘ってみようよ..と言って、連絡してみると偶然か、こちらも旦那だけ仕事だと言う。旧盆の最中なのに忙しい人もいるものだと思っていたら長姉が「あたしは暇だから、朝早い電車で行きますよ」との事。はいはい、歓迎させて頂きますよ!
というわけで助っ人探しはどうもうまくゆかない。あと残ったのは実家を継いでいる上兄夫婦か、山荘に一番近い白州町に住む絵描きの下兄夫婦。実家はお盆で忙しいから無理。結局、合唱団の合宿のペンション探しでもお世話になった絵描きの兄さんに電話すると、今夏祭りで東京からお客さんが来ているが午前中で帰るので、午後には手伝いに来てくれるとの事。やっぱり持つべきものは兄弟だ!
その兄が午後3時近くに来てくれて作業開始。朝から一人で頑張って庭の雑草を下刈したので、その延長でまず積もり積もった枯葉を一ヶ所に集めて山にする。兄は畑を持って野菜などを栽培しているので、枯葉などの腐葉土が欲しいから、とりあえず山にしておけば後でもらいに来るからという。
しかし前庭から山荘の側面、さらには裏の敷地一杯を掃除するとなるととても大変な作業になるので、とりあえず前庭と側面の前半分だけと決めて枯葉の清掃を二人で無口になる位頑張る。なんとか前庭の土の面が見えてみるみる綺麗になって来た。いくつか作った枯葉の山をひとつに集めて隣との境界の辺に大きく積み上げてとりあえずこの部分は終了。
標高1,150mの地で大汗をかきながらの作業に時間が掛かってしまい、ベランダの作業は今日中に出来そうもないので、とりあえずベランダのガラクタを山荘の裏に移す作業だけすることにする。
去年から始めた山荘の修理、さあやるぞと最初にアウトドアの雑誌に書いてある通りのサイズで作ってしまった大きくて重い作業台が、ベランダの左半分を占拠している。その下には工具から木端からセメント袋などを押し込んであり、またその横にはストーブ用の薪が積んであるので、最初の頃の様な白樺林に面した快適なベランダの空間が無くなっている。
今回はこのベランダ全体が雨風に晒されて汚くなっているので、綺麗にして防腐、防水の塗装をしてみたいと思っている。最初にベランダ上を空にする。重たい大きな作業台を2人でやっとのことで裏まで運び、山荘の壁沿いに放置する。その回りに残りのガラクタも移動して積み上げる。兄の考えで薪は見栄えよくベランダの床下に積む。
作業台や工具などは合宿が終わったらまた屋根の下に戻さなくては使いものにならないので当座の処置である。少し大きめの物置を作るか、買うかしてそのへんの収納も考えて行かなければならない。大体今時の別荘や山小屋などはみんな基礎のコンクリートを高く立ち上げて高床にしてその部分を収納などにあてているのが普通だが、この山荘を建てる時に自分が忙し過ぎて業者に一任してしまったのが今になって響いている。
お盆時の貴重な時間を頂いて手伝ってもらった兄には、ゆっくり夕食を食べていってもらった。
久し振りの肉体労働と涼しい山の気候にすっかり熟睡。
気持ちよく起きた次の日。塗装用品を買いにさっそく長坂町のJマートに行きたいが10時までは開かないので何回も往復にならないようしっかり買うもののリストを作る。
10時近くなって相模湖と大月の姉二人が電車で小淵沢に着くので、車で迎えがてら僕だけJマートに降ろしてもらう。
塗装に関してはあまり勉強してないのでJマートの店員さんに聞くつもり。塗料のコーナーで店員さんを探していると、すぐ近くで学生っぽい、それも高校生ぐらいの感じの男の子がなにやら作業している。アルバイトだとあまり分からないだろうかと思ったが、他に人が見当たらなかったので声をかけてみた。そしたらびっくり、この子が本当によく知っていたのだ。僕の質問に塗料の選び方、塗り方から刷毛の使い方まで本当に立派に助言してくれた。木部用防虫、防腐塗料の定番と言われる「キシラデコール」と刷毛、ローラーを購入。その他にバスルーム用の桧のすのこ、洗面台のタオル掛け2個、鏡の横につける収納用飾り戸棚、それに撒水用のホース+蛇口キットなどなど買って山に戻る。belanda01早速二日目の作業開始。まず外の水道からホースを回してベランダ全体に強い圧力の水を掛けて洗う。その後、デッキブラシでベランダの床をゴシゴシと擦ってもう一度水を掛ける。ぞうきんを何枚も使って水気を拭き取って行くがなかなか取れない。
お昼近くなったので姉達と昨年できたという近くの中華料理の店に昼食に。山で飲む昼間のビールは最高。
帰って来て作業再開すると下の姉さんからクレーム、「塗装する面は水洗いだけじゃなくて、やすりを掛けてもっと綺麗にしてからやるんじゃないの?」おっと、確かにそうだ。でもやりたいけど今回は時間がない。次回、あまり期間をあけないでもう一回塗り直す時にサンダーを使って色が綺麗に出るようにやりなおそう….そう決めて今回はこのままで塗装することにする。
女房と姉達は小淵沢のアウトレットへ出かけ、少し待つとかなり乾いてきていたので、さっそく塗り出す。色を均一にしたいのでよく塗料缶をかき混ぜてからローラーで大胆に塗ってゆく。床面なので、最後にどう足を逃がしながら全面塗るかというのはしっかり考えてからやらないと手が届かなくなったり、塗った部分に足跡を付けるはめになったりするので大変だ。
ベランダ全てを塗り終わってみると、建物全てがなにも塗装してなかった生のログ材なので、ベランダからどんどん外へと色を着けて塗ってゆきたくなる。本体の壁などは面積も広いのでとりあえずしかたがないが、ベランダの手摺りと、階段、それに正面ドアの枠あたりが、床を塗ったためにかえって汚れが目立つようだ。
これはやっぱり手摺りと階段、ドアの枠は塗らなくてはと思い、残った塗料、キシラデコールの「ウォールナット色」を手摺りの一本に塗ってみるがあまり綺麗ではない。
ピン、ポーン!頭でアイデアが弾けた。室内の床の色よりも暗いウォールナット色のベランダの床にはグリーンの暗いのが絶対合う!
アウトレットから帰ってきた車を借りてすぐまたJマートまで。あった、あった、同じキシラデコールの「タンネングリーン」。床は面積がかなりあるので3.4リットル缶だったが、手摺りなどにはそんなには必要ないと思って1リットル缶を2つ買ってくる。
山に戻ってみると姉達がもう帰ると言う。昼飯を一緒に食べただけで、あとはなにもできなくて申し訳ないと思ったが、少しは彼女達も息抜きになったようなので許してもらう。
結局、僕は小淵沢の駅に見送りにも行かずに塗装に夢中になっていた。
だいたいこの日の天気予報では午後から大雨の予報だったので、なんとなく作業が、あ、まだできる、あ、まだできる…という感じで後々になってしまっていて手摺り等の塗装を決断したのはもう夕方に掛かっていたのだ。
手摺りを半分ほど塗ったところで遠くに離れてみると、自分の暗緑のアイデアがすっかり嵌まっていて有頂天になった。
最後の工程ではもう回りも暗くなってきてベランダのライトを点けての作業になった。作業終了午後7時半。手から足からTシャツまで塗料だらけになっていた。
明日の朝、太陽の下でどう見えるか楽しみだ。

5月ももう終わるという日、めずらしく寒い雨が降る中、河口湖へ行ってきた.4月から5,6月と富士山麓は最高の季節で、毎年クラブを担いで仲間達と遊びに通うのだが、今年はなぜか4月に1度行ったきりだった.いつも遊ぶ拠点は決まっていて、そのうちの一つはもちろんゴルフ場.お気に入りは「鳴沢ゴルフクラブ」と「富士レイクサイド」.そしてゴルフの後では森の緑に囲まれた中でのビールや季節の山菜を楽しむのが最高の時間だ.一つは浅間神社の森に隠れた美味しいレストラン兼ペンション.料理教室を開いている奥さんのこれ以上ない美味しい料理をこれでもかと毎回堪能している.そしてもう一つのお気に入りの遊び場所が、ゴルフ場のすぐ横にあるKさんご夫婦の別荘だった.標高1,200mの森の中に、東京・六本木から移り住んだKさんがご自分で設計なさって建てた素敵な八角形の建物で、二階から上に作られた音楽専用の素晴らしい木作りの空間はいつ行っても別世界だった.真ん中に掘られたピアノ4台分ほどの円形のスペースを中心にして、その外周と壁の間がやはりソファーセットを置けるほどの幅がありぐるっと取り巻いていて 2,30人が好き勝手に寛げるようになっている.富士山頂に向った南側は140度ほど開いて4m位のガラス張りで外の大木の幹や森の緑を見せてくれる.南側はさらにいちだん深くなって教会の祭壇のような作りで、パイプオルガンのパイプがいぶし銀に光っていて、その金属の光と天井全部を覆った自然の木材のコントラストが美しい.建てた当初はここで沢山のコンサートを開いたと聞いた.
何年か経ってKさんはまたご自分で設計なさって、河口湖の反対の湖水の辺に、今度はスペイン風なお家を建てられて、そちらに居を移された.そんな頃にKさんご夫婦を知った僕は、八角形の音楽堂を音楽大学の学生達の合宿の時のレッスン用に貸してもらうようになり、それからは季節季節にこの八角形の別荘に訪れるようになり大変幸せな時間を作ってもらった.いろいろな事情があってこの別荘を人手に渡されるとお話があったのがこの4月で、正直びっくりもしたが残念でならなかった.そして先週、奥様からお電話を頂き久しぶりに中央高速から富士の懐、緑の中を走って別荘に駆けつけた.1年で一番緑色の鮮やかな今、雨にしっとりとぬれて霧のベールを被った八角形の懐かしき館は、主人が替わるのが気に入らないのか、ちょっと寂しげに見えた.時間の止まったような会話を一時間半ばかり交わしての別れ際、奥様から自宅で育て上げたというクレマチスの鉢をいただいた.雨に濡れた6弁の紫の花は自然の緑の中でとても幸せそうに見えたが、東京のコンクリートの上に持っていって機嫌を悪くしないだろうか?

3月中旬、歌の仲間達と小淵沢の山荘に一泊二日、スキーの予定で出かけた.
山小屋の掃除をし食料を買いに地元のスーパーへ行ったが、スーパーの隣の「Jマート」で桜の生の丸太(長さ:2,5m、直径:50-60cm)を一本見つけて買ってきた.山荘の床を張替えた話しはしましたが、その際フローリングを敷き詰めていって壁際の処理が面倒くさかったのだが、お勝手と大部屋のしきりに作ったカウンターの足下の処理で行き詰まって放り出してあった.つまりカウンターの足下にフローリングがぴっしり張れないのだ.段差も出来ていたのだが、なんとなくのイメージとして、カウンターに腰掛けて足を投げ出す所に丸太を置いたらうまく行くかなと思っていたので、サイズもしっかり計らずに買ってきてしまった.仲間達とベランダで作業開始.電動ノコでカウンター下のサイズ、2,1mに切断.それから木の表面の皮を剥ごうと思ったが、生木なので樹液が出てくるのも困るので、サバイバルナイフでこするようにして皮の表面をきれいにする.そしてからクリアラッカーを吹きかけて終わり.さっそくカウンターの下に転がり入れてみると、フローリングと床の段差にちょうどうまく納まって固定された.イスに座ってカウンターに向かうと足先がちょうど桜の木に乗り高さもちょうど良いようだ.少し引いて眺めてみると、ログハウスに注文で作り付けた原木風の素敵な感じに仕上がって、特にラッカーで光った桜の木肌がとても美しい.この原木一本¥300で、会心の作業完了である.